Letter 材料:生体ゲルにおける非線形弾性 2005年5月12日 Nature 435, 7039 doi: 10.1038/nature03521 軟らかい生体組織の機械特性はその組織の生理機能に不可欠だが、合成材料では容易には再現できない。血管、腸間膜組織、肺の実質組織、角膜、血栓など多くの生体材料は、単純な高分子ゲルとは違ってひずみを受けると硬くなり、それによって組織の本来の姿を脅かす大きな変形を防ぐ。この非線形弾性を生み出す分子構造と設計原理は不明である。今回我々は、細胞骨格および細胞外タンパク質から形成される分子的に異なる種々のゲルのひずみ硬化を説明でき、低から中程度のひずみでの一般的な応力−ひずみ関係を明らかにする分子理論を報告する。この理論には、個々の半屈曲性繊維の力−伸び曲線と、これらの繊維からなる生体ネットワークが均一かつ当方的で均等にひずむという仮定を取り入れている。この理論により、繊維状タンパク質が架橋して開いた網目を作っている系は、特定の構造や、異なる固有剛性をもつ複数の要素が存在しなくても、わずかなひずみで必ず硬化することが示された。 Full Text PDF 目次へ戻る