Letter 細胞:双極性有糸分裂キネシンEg5は自身が架橋する両方の微小管上を移動する 2005年5月5日 Nature 435, 7038 doi: 10.1038/nature03503 細胞分裂の際には、微小管上で働くモータータンパク質によって有糸分裂紡錘体が形成される。適切な染色体分離には紡錘体の双極性構造が不可欠で、この双極性構造には、広く保存されたキネシン-5(BimC)ファミリーに属する、プラス端方向へ動くホモ四量体モータータンパク質が必要である。双極紡錘体形成の仮説の中に「プッシュプル紡錘体筋肉」モデルがあるが、これは重なり合った微小管の間でキネシン-5と逆方向に動くモータータンパク質とが働くというものである。しかし、この過程でキネシン-5が果たす役割は正確にはわかっていない。今回我々は、脊椎動物のキネシン-5であるEg5が、微小管をその相対的な向きに応じて滑らせることを明らかにした。in vitroでの管理下実験で、Eg5には、自分が架橋している2本の微小管それぞれのプラス端に向かって、約20nms-1の速度で同時に移動するという能力があることがわかった。逆平行な微小管の場合、その結果として相対的に約40nms-1で滑ることになるが、これはin vivoでの紡錘体極の分離速度とほぼ等しい。また、Eg5が微小管のプラス端を連結する場合があることから、Eg5にはもう1つ別の微小管結合様式があることがわかった。これらの知見は、キネシン-5ファミリーのタンパク質が有糸分裂の際にどのように働く可能性が高いかを示している。すなわち極間の微小管を押し離す働きと、微小管を束にまとめ、その後相対的に滑らせることによって極性をもたせる働きである。 Full Text PDF 目次へ戻る