Letter 進化:ユタ州の白亜紀前期層の原始的なテリジノサウルス上科恐竜 2005年5月5日 Nature 435, 7038 doi: 10.1038/nature03468 テリジノサウルス上科は謎の多い恐竜の一群であり、ほとんどの化石標本はアジアの白亜紀層から発見されている。この仲間の特徴として、長い首、側方に張り出した骨盤、小さく葉状の歯、歯のない吻、そして角質化したくちばしをおそらく支えていたと思われる下顎結合が見られる。テリジノサウルス上科に含まれる仲間としては12を超える分類群が知られているが、化石が断片的で、一連の特徴が特異であるために、恐竜内での類縁関係については議論の的となっている。最近、中国の白亜紀前期層から発見された「羽毛のある」テリジノサウルス上科のベイピャオサウルス(Beipiaosaurus)は、この分類群の獣脚類との近縁関係を解明するのに役立つ。しかしベイピャオサウルスも十分な説明がなされていない。今回我々は、ユタ州中東部のシーダーマウンテン累層(白亜紀前期)の最下層にある少数特異的な骨化石密集層から出土した新種の原始的なテリジノサウルス上科恐竜について報告する。この新分類群は、これまで見つかったなかで最も完全に近く、最も原始的なテリジノサウルス上科である。この分類群を組み込んだコエルロサウルス類獣脚類の系統発生解析では、その位置づけはテリジノサウルス上科クレードの根元部分になる。このことから、この種はテリジノサウルス上科の中で、肉食性から草食性へというほとんど未解明の移行過程で、知られるかぎり最古の段階にあたることが示唆される。この分類群は、我々の知るかぎりでは、白亜紀前期の北米にテリジノサウルス上科恐竜がいたことを示す初めての証拠資料となる。 Full Text PDF 目次へ戻る