Letter

物理:焦電性結晶によって引き起こされる核融合の観測

Nature 434, 7037 doi: 10.1038/nature03575

磁場閉じ込めと慣性閉じ込めにより核融合の研究は進歩を続けているが、重水素クラスターのクーロン爆発や超高速レーザー−プラズマ相互作用など他の手法も基礎過程と技術応用への手がかりを与えてくれる。しかし、「低温」核融合や「泡」核融合をはじめ、室温の固体装置で核融合を起こす試みは懐疑的に受け止められてきた。今回我々は、重水素雰囲気中で焦電性結晶を穏やかに温めるとごく小型の装置で核融合を起こせることを報告する。結晶の静電場を用いて重水素ビームを発生させ加速する(>100 keVで>4 nA)と、それが重水素化された標的に当たったとき、バックグラウンドの400倍以上のレベルの中性子束が生じる。標的内でのD+D→3He (820 keV)+n (2.45 MeV)という反応で中性子が発生したことは、パルス波形の解析と陽子の反跳スペクトルによって確認された。この核融合のさらなる証拠として、我々は新規な飛行時間技術を用いてα粒子と中性子の遅延同時計数を行った。ここで報告する核融合は、動力発生という意味では役に立たないが、手のひらサイズの簡易な中性子発生器としての応用が期待される。

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