Article 免疫:急性SIV感染時の多組織における記憶CD4+ T細胞の大量感染と消失 2005年4月28日 Nature 434, 7037 doi: 10.1038/nature03501 急性のヒト免疫不全ウイルス(HIV)およびサル免疫不全ウイルス(SIV)感染のいずれにおいても、主として粘膜表面で劇的かつ選択的な記憶CD4+T細胞の消失が起こることが最近確認された。この記憶CD4+ T細胞(すなわち、以前に遭遇した病原体に特異的なTヘルパー細胞)の減少の基礎になっている機序は明らかにされていない。我々は、きわめて高感度な定量ポリメラーゼ連鎖反応を、さまざまな組織中におけるCD4+ T細胞の異なるサブセットの精密な選別と組み合わせて行い、このT細胞の消失は、ウイルスの記憶CD4+ T細胞への大量感染によるものであることを示す。感染ピーク時に全身のCD4+記憶T細胞の30〜60%がSIVに感染し、これら感染細胞の大半が4日以内に消失する。さらに、記憶CD4+T細胞の減少がすべての組織で同程度に起こることが分かった。この結果、SIVに感染したサルの全記憶CD4+ T細胞の半分以上が、急性期にウイルス感染によって直接破壊される。これが、ひきつづいて起こる免疫不全の前兆となる障害であることは確実である。今回の実験結果は、急性感染期に細胞に結合しているウイルス量を、治療あるいはワクチン接種の方法によって減少させることの重要性を示すものである。 Full Text PDF 目次へ戻る