Letter 生態:大西洋クロマグロの電子タグ装着と個体群構造 2005年4月28日 Nature 434, 7037 doi: 10.1038/nature03463 蓄積したデータを保管したり衛星に送ったりする電子タグによって、遠洋生態系で高度の回遊行動をとる魚類の生息海域マッピングが大きく進んだ。今回我々は、西大西洋で大西洋クロマグロ772匹に電子タグを装着し個体群構造を調査したので報告する。発信機能をもつ電子タグからは高精度の位置データが得られ、それにより個々の魚が広範囲に移動することがわかった(n=330)。全地球測位データから2つの個体群が明らかになり、その一方はメキシコ湾の産卵場を利用するもので、もう一方は地中海からやってくるものである。西側でタグ装着されたクロマグロが大西洋を横断して移動するため、地中海にある既知の産卵海域に対して場所の固執性があることがわかる。西大西洋の産卵場を占有するクロマグロは中央大西洋や東大西洋の採餌場へと移動する。我々の得た結果は、北大西洋の採餌場はオーバーラップするが産卵場は別個の2つのクロマグロ個体群が存在することと一致する。電子タグ測位データに、米国の遠洋延縄漁監視プログラムのデータや航海日誌に記録された漁獲データを組み合わせることで、メキシコ湾の北大陸斜面水における産卵期クロマグロの集中域が突き止められる。延縄漁を行う時期や海域を制限すれば、西大西洋産卵場での混獲によるマグロの死を低減できるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る