Letter 糖代謝:視床下部KATPチャネルは肝臓の糖産生を調節する 2005年4月21日 Nature 434, 7036 doi: 10.1038/nature03439 肥満は、2型糖尿病の世界的な増加の重要な要因となっている。高血糖は糖尿病の特徴であり、それは主に肝における糖新生の増加が原因である。視床下部内側は栄養素やホルモンのシグナルを統合する主要な部位であるが、エネルギーバランスの制御のみでなく、肝糖放出の調節においても中心的な役割を果たしている。したがって、視床下部においてインスリンのシグナルが双方向へ変化すれば、エネルギーバランスと糖代謝はともに平行して変化する。今回我々は、内側基底視床下部のATP-感受性カリウム(KATP)チャネルの活性化だけで、肝糖新生の抑制を介した血糖値の低下が起こることを示す。内側基底視床下部内へのKATPブロッカーの注入、あるいは迷走神経肝枝の外科的切除により、中枢性のインスリン作用は消失し、肝糖産生に対する全身性のインスリン作用は半減した。これらの結果と一致して、KATPチャネルのSUR1サブユニットが欠損したマウスは、インスリンの糖新生抑制作用に抵抗性をもつ。以上の所見から、視床下部KATPチャネルの活性化は通常、肝における糖新生を抑制しており、この中枢神経系/肝臓回路内に何らかの変化が加えられると、糖尿病性高血糖の一因となり得る。 Full Text PDF 目次へ戻る