Letter 医学:喘息で壊滅的な変化の前兆となる自己組織化不均一性 2005年4月7日 Nature 434, 7034 doi: 10.1038/nature03490 喘息は広く見られる疾患で、世界中で小児患者の数が増加し続けている。喘息では、肺の気道を取りまく平滑筋の収縮によって気道が狭窄するが、急性発作中に機能がどう変化するかは正確にはわかっていない。気道の急激な狭窄と雪崩のように押し寄せる再拡大における複雑な挙動には、気道の樹状構造が関係しているとされてきた。本論文では、気管支収縮により肺換気が不均一になるという実験的証拠とともに、この実験データを解釈するコンピューターモデルを提示する。陽電子放射型断層撮影法(PET)を利用して観察すると、気管支が収縮した喘息患者では、肺に低換気領域が生じている。コンピューターモデルを用いて調べたところ、対称的な気管支樹の平滑筋が一様に活性化されても、ごく微小な不均一のせいで対称性が崩れ、低換気肺単位の集合域ができることが明らかになった。このような集合域は、短距離フィードバック機構と長距離フィードバック機構の相互作用によって生じ、壊滅的な変化に至る。このような変化は、自然界でみられる自己組織化によるパッチ状パターンに関連する壊滅的変化によく似ている。これらの知見は喘息の治療に役立つ可能性があり、また他の分散型器官の疾患を研究するためのモデルになるかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る