Letter

化学:水素貯蔵用クラスレート・ハイドレートの調節

Nature 434, 7034 doi: 10.1038/nature03457

安全な圧力下での大量の水素の貯蔵は、水素を基盤とした経済を確立するうえで重要な要因となる。水素を化学的に結合させる、永続的な空隙を持つ材料中に吸着させる、あるいはこれらの要素を組み合わせたハイブリッド材料中に貯蔵するといった以前の方策は、技術的考慮事項または材料コストのどちらかに起因する問題を有している。最近報告された大きさの異なる2種類のケージを持つ水素のクラスレート・ハイドレート(包接水和物)は、貯蔵に必要な条件を満たしているようである。しかし、この材料を作るには極端な圧力(約2 kbar)が必要なので実用的でない。合成圧力は、大きい方のキャビティをテトラヒドロフラン(THF)で満たして材料を安定化させることによって低減できるが、この方法を用いると材料の潜在貯蔵容量が低下する。今回我々は、THF含有二元系クラスレート・ハイドレートにおいて、低圧安定性を維持したまま組成を調節して水素ゲスト分子が大きいケージと小さいケージのいずれにも入れるようにすることにより、低めの圧力で水素貯蔵容量が約4 wt%まで増大可能であることを報告する。この調節方法は極めて一般的かつ便利な方法であり、水溶性ハイドレート・プロモーターと各種ガス状ゲスト小分子が使用される。

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