Letter 海洋:大西洋の鉛直循環の減衰に起因する海洋生態系の衰弱 2005年3月31日 Nature 434, 7033 doi: 10.1038/nature03476 最終氷期において、大西洋の南北方向の鉛直循環の再構成は、北大西洋の大規模で急激な気候変動に伴うものであった。気候モデルを用いた予測からは、同様な再構成が人為的な地球温暖化に反応して生ずる可能性も示唆されている。本論文では、このような擾乱が海洋生態系に及ぼすであろう結果を調べるために、中程度の複雑さの気候‐生態系結合モデルを用いた一連のシミュレーションを行った。このシミュレーションでは、大西洋の南北方向の鉛直循環の乱れが北大西洋のプランクトン群集の崩壊をもたらし、そのバイオマスは当初の半分以下となる。これは冬期の混合層が急速に浅くなり、それに伴って混合層が深海の栄養貯留層から切り離されるためである。全球的な総生産量は、栄養に富んだ深層水の湧昇が減少し、上層の栄養分の濃度が徐々に低下する結果、20パーセント以上も低下する。モデルを用いたこれらの結果は、利用可能な高分解能の古記録と整合しており、全球的な海洋の生産力は大西洋の南北方向の鉛直循環の変化に敏感に反応することを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る