Letter 細胞:サイクロフィリンDの欠失によって、ミトコンドリアの膜透過性の変化が細胞死に果たす重要な役割が明らかになった 2005年3月31日 Nature 434, 7033 doi: 10.1038/nature03434 ミトコンドリアは、アポトーシスとネクローシスの両方で重要な役割を果たしている。ミトコンドリアの膜透過性亢進(mPT)は、ミトコンドリアの膨潤、それに伴う外膜の破裂、アポトーシスメディエーターの放出を引き起こす。mPTにかかわる小孔は、アデニンヌクレオチド輸送体、電位依存性陰イオンチャネル、ミトコンドリアマトリックス中に局在するプロリルイソメラーゼのサイクロフィリンD(Ppifの遺伝子産物)からなると考えられている。今回我々は、Ppif欠失マウスと、サイクロフィリンDを心臓で過剰発現するマウスを作出した。Ppifヌルマウスは、in vivoでは、虚血/再潅流が誘導する細胞死を起こさなくなる。一方、サイクロフィリンDを過剰発現するマウスでは、ミトコンドリアの膨潤と自発的細胞死が見られた。Ppifヌルマウスの肝臓、心臓、脳からとったミトコンドリアは、in vitroで膨潤と透過性亢進が起こらなかった。また、Ppifヌルマウスから単離した初代培養肝細胞および繊維芽細胞は、Ca2+の過負荷や、酸化的ストレスが誘導する細胞死をほとんど起こさなかった。しかし、Bcl-2ファミリーの因子が誘導する細胞死はサイクロフィリンDには依存せず、またPpifヌルマウスの繊維芽細胞では、スタウロスポリンや腫瘍壊死因子αが誘導する細胞死は回避されなかった。従って、Ca2+あるいは酸化的損傷が誘導する細胞死にはサイクロフィリンDとミトコンドリア膜透過性亢進が必要だが、Bcl-2ファミリーが制御する細胞死にはこれらは必要ない。 Full Text PDF 目次へ戻る