Letter 化学:光合成における電子カップリングの2次元分光法 2005年3月31日 Nature 434, 7033 doi: 10.1038/nature03429 時間分解光学分光法は、励起状態分布の過渡的変化をフェムト秒の時間スケールで調べることにより振動の動力学および電子の動力学を研究するのに広く使われる。しかし、電子および振動の動力の基本的原因、つまり関与するさまざまなエネルギー準位間のカップリングは通常、間接的に推測されるのみだ。最近、3パルス光子エコーのヘテロダイン検出に基づく2次元フェムト秒赤外分光法により、振動カップリングの直接マッピングが可能となり、過渡的構造の情報が得られるようになった。今回我々は、この手法を可視領域に拡張し、Fenna-Matthews-Olson光合成集光性タンパク質という分子複合体における電子カップリングを直接測定した。すべての光合成系と同様、光の化学エネルギーへの変換は電子カップリングによって引き起こされ、それにより集光性アンテナ色素から反応中心への効率的なエネルギー移動が確実になる。我々は、この過程を時間と振動数の関数として調べ、励起エネルギーがエネルギーのはしごを単純に1段ずつ下りていくわけではなく、色素−タンパク質複合体全体に、非局在化した励起状態波動関数の詳細な空間特性に敏感に依存する、別のエネルギー輸送経路があることを見いだした。 Full Text PDF 目次へ戻る