Letter 植物科学:葉の進化における保存された発生機構の別個の採用 2005年3月24日 Nature 434, 7032 doi: 10.1038/nature03410 維管束植物は、約4億2千万年前のシルル紀中期から後期にかけて進化した。化石記録からは、当時の原始的な植物は胞子嚢を有するが葉のない枝分かれした茎を持っていたことが示されている。葉のような側生突起は後に、少なくとも2つの全く異なるできごとによって出現した。現生植物では、このような現象は、lycophyte類(ヒカゲノカズラ類、イワヒバ類、ミズニラ類)の小葉と、euphyllophyte類(シダ類、裸子植物、被子植物)の大葉にみられる。葉の発生機序について現在わかっていることは、大葉の形成時に働く過程に限られている。小葉と大葉は独自に生じたので、葉形成には異なる機序が必要である可能性がある。本論文では、この推定が正しくないことを報告する。小葉をもつlycophyte植物から得た遺伝子発現データ、系統発生解析、異種間相補性検定はいずれも、共通の発生機序によって小葉と大葉の両方の形成が起こり得ることを示している。したがって、この発生機序は本来、原始的な植物の先端部分で分岐を促すように働いていた可能性があると考えられる。この経路を葉の形成に採り入れたのは、異なる植物系統で独立かつ並行的に起こったのだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る