Letter 神経:交感神経系とCARTによるレプチンの骨吸収制御 2005年3月24日 Nature 434, 7032 doi: 10.1038/nature03398 脊椎動物が骨量を調節する仕組みが骨リモデリングで、これは破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成という2つの過程から成り立っている。骨芽細胞は多機能細胞で、破骨細胞の分化も制御している。骨芽細胞に存在するβ2-アドレナリン受容体(Adrb2)を介する交感神経シグナルが、レプチンの下流で骨形成を制御する。今回我々は、Adrb2欠失マウスを調べて、交感神経系が、骨芽細胞前駆細胞における破骨細胞分化因子Ranklの発現を増加させることにより、骨吸収を促す方向に働くことを明らかにした。このような交感神経の作用には、骨芽細胞の分化と機能に不可欠な細胞特異的CREB関連転写因子ATF4の(プロテインキナーゼAによる)リン酸化が必要である。性腺摘除したAdrb2欠失マウスで骨吸収が増加しないことは、この制御の重要性を明確にしているが、これは同時に、交感神経系の活性が低下したまた別の性腺機能低下マウスであるob/obマウスで見られる特徴的な骨吸収の増加とは著しい対照をなす。この相違は、レプチンが発現を制御する神経ペプチドで、ob/obマウスでの発現が著明に低下しているCART(コカインアンフェタミン誘導転写産物)が、Ranklの発現を調節して骨吸収を阻害するという現象である程度説明できる。今回の研究により、レプチンが制御する神経経路が骨リモデリングの両過程を制御していることがはっきり示され、また性腺機能不全による骨吸収の増加には、完全な交感神経シグナル伝達系が必要であることが実証された。 Full Text PDF 目次へ戻る