Letter 古生態:ペルム紀/三畳紀境界の動物大量絶滅と連動して起こった2回の微生物大変動 2005年3月24日 Nature 434, 7032 doi: 10.1038/nature03396 地球史で動物大量絶滅の後に見られる微生物の爆発的増大は、マイクロバイアライト(微生物起源の岩石)もしくは良好な保存状態の有機質で覆われた微生物を記載岩石学的に検証して調べることができる。だが、保存状態が劣悪な場合には微生物群集の定量化に問題が起こることがある。我々はこの問題を回避するために脂質バイオマーカーを使う手法をとり、中国南部にある煤山のペルム紀/三畳紀(P/Tr)境界をまたぐ層の微生物群集の変動を評価した。本論文では、微生物の段階的な変動が無脊椎動物の大量絶滅の高精度記録と連動していることを示すバイオマーカー層序記録を提出する。この微生物群集の構造変動の特徴は、2‐メチルホパン(2-MHP)指数(より一般的な細菌バイオマーカーに対するシアノバクテリア特異的なバイオマーカーの存在比)によってとらえられる。2回の動物大量絶滅それぞれに先立って2-MHP指数が最小となり、各絶滅事象のあとに同指数は急激に最大となる。これはおそらく、絶滅を引き起こし生態系の変化を開始させた破局的な出来事に対する微生物の反応を反映したものだろう。よって、シアノバクテリアのバイオマーカーからも無脊椎動物化石記録からも、P/Tr境界のあたりで生物の危機的局面が2回あったことを示す証拠が得られる。 Full Text PDF 目次へ戻る