Letter 生態:感覚トラップが正直なシグナルへと進化しうることを示す証拠 2005年3月24日 Nature 434, 7032 doi: 10.1038/nature03363 極度に派手な性的装飾を説明づける従来の諸モデルでは、これらの装飾は雄の遺伝的な質を反映しているか、雌の好みと装飾の間の遺伝的な連動性から恣意的に生まれた結果だと考える。いたちごっこモデル(chase-away model)は雌雄の利害の対立を前面に押し出した説で、雄の発するシグナルが雌を引きつけるのは、シグナルが受信者側の偏向をうまく利用するからだと考える。雄が配偶の決定権を握るようになると、雌は最適値を下回る配偶率もしくは交尾後の搾取作用によって適応度コストを負う可能性がある。雌がこうした搾取作用に抵抗するために自身の反応閾値を上げると、雄は発するシグナルにさらなる磨きをかけると予想される。装飾が摂食反応などまた別の適応的偏向を標的にしたものである場合、雌にかかる選択が最終的には、そのシグナルに対する性的な反応と性的でない反応を分離させてしまう可能性がある。今回我々は、グデア亜科(Goodeinae)魚類の数種の尾部縁の黄色い帯模様(TYB)が、摂食反応も性的反応も呼び起こすことを示す。つまり、性的反応性は系統発生的にみて、雄でのTYBの発現より先行し、分類群全体を通じて似通っているが、より精巧なTYBを身にまとう種では摂食反応性は低かった。TYBの誇示には高いコストがかかり、したがってこれは感覚トラップの一種として生じた形質が正直なシグナルへと進化した一例である。 Full Text PDF 目次へ戻る