Letter 進化:「ヒオプソヅス科」化石に見られるハネジネズミ類との類似度とアフリカ獣類の全北区起源 2005年3月24日 Nature 434, 7032 doi: 10.1038/nature03351 ハネジネズミ類(Macroscelididae)は小型(25〜540 g)で走行性・跳躍性の虫食性もしくは雑食性の有胎盤哺乳類で、現生種はアフリカ産が少なくとも15種あり、4属に分類されている。分子系統研究によればハネジネズミ目は、アフリカ獣上目の中の形態的に多様だが主としてアフリカ産の数目の有胎盤類のうちの1つだとされている。現生アフリカ獣類の分布状況は、アフリカ獣上目が有胎盤類内で原始的な位置づけになることや、分子分岐年代の推定値とあわせて、有胎盤類の多様化を白亜紀中期における南米とアフリカの大陸分離と結びつけるのに利用されてきた。形態の系統発生解析ではアフリカ獣類の存在は裏づけられておらず、化石記録では有胎盤類の北半球起源が有力となる。今回我々は、北米の暁新世−始新世の「か節目」(Condylarthra)「ヒオプソヅス科」(Hyopsodontidae)のApheliscidae類(非常に原始的な有蹄類)と、現生ハネジネズミ類との近縁関係を示す証拠となる、頭部より後方の化石について報告する。Apheliscidae類の頭部より後方の形態は、他の有蹄類様アフリカ獣類(イワダヌキ類や長鼻類)との類縁関係と符合するが、単系統性アフリカ獣類の裏づけとはならない。アフリカ獣類クレードの最古の記録にあたるハネジネズミ類の類縁種が北米の暁新世層で見つかったことは、アフリカ獣類のアフリカ起源に対する反証となり、有胎盤類の多様化とゴンドワナ大陸の分裂とを関連づける支えがこれで一段弱まることになる。 Full Text PDF 目次へ戻る