Letter 進化:南アフリカの移住労働者から家族への送金額を遺伝的血縁度から予測する 2005年3月17日 Nature 434, 7031 doi: 10.1038/nature03420 包括適応度モデルからは、よく見られるさまざまな行動が予測される。ヒトでは、家庭内暴力や食糧配分、育児に関する研究から、自分と血のつながりが濃い人間を大事にする傾向が示された。しかし場合によっては、血縁者への利他行動はごくささやかである。ヒトは血縁者への利他行動モデルが予測するほど実際に親族を大事にするのだろうか。南アフリカの移住労働者が田舎の家族に送る送金額データは、こうした考えのはっきりした検証を可能にするもので、ヒトでの検証は我々の知る限り初めてである。我々は、送金額に伴う適応度の利得とコスト、移住労働者と送金による受益者との遺伝的な血縁度や、関係者の年齢特異的・性別特異的な繁殖価の算定を用いて、移住労働者の包括適応度を最大にする送金額を見積もった。この見積もりは、たとえ送金額に及ぼす共変動性の影響を(重回帰分析を行って)考慮に入れても、実際に見られる送金額の、平均血縁度よりも良好な予測量となる。しかし、この作用は控えめであって、我々の血縁者への利他行動モデルでは実際に見られる送金額の3分の1未満しか説明がつかない。 Full Text PDF 目次へ戻る