Letter

進化:深海の新しい半索動物の採集と写真撮影から「Lophenteropneusta説」に異を唱える

Nature 434, 7031 doi: 10.1038/nature03382

深海には広い襟をもつ半索動物の一群がすむとされており、以前Lophenteropneusta類と名づけられた。この仲間は海底を滑走する様子を写真に撮られているものの、これまで標本は採集されていなかった。この蠕虫形の動物は襟に触手があり、2つの主要な半索類(触手のない腸鰓類と触手をもつ翼鰓類)の形態的な特徴を合わせもっていると主張されてきた。そのためLophenteropneusta類は、腸鰓類から翼鰓類へ進化したことを示すミッシングリンクとして引き合いに出される。このLophenteropneusta類説の最も重要な点は、新口動物の原始的な門では基本体制が腸鰓類に似たものだったとする予測である。祖先の状態がこのように想定されると、無脊椎動物から脊椎動物への進化に関する諸説に影響が出てくる。今回我々は、深海にすむ広い襟をもつ腸鰓類を初めて標本採集したことを報告し、これを新科新属新種として記載報告する。その襟は体に比べて不釣り合いなほど広いが、触手はない。さらに、以前Lophenteropneusta類だと指摘された動物も含め、広い襟をもつ腸鰓類を深海で写した入手可能な写真(公表・未公表あわせて)を検討しても、触手の存在を示す証拠は見つからなかった。すなわち、Lophenteropneusta説は質の悪い深海写真を誤って解釈したことに基づくもので、この説を持ち出して、腸鰓類の体制が半索動物門の中で原始的なものだとする説を裏づけるべきではない。

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