Letter 植物科学:液胞のCa2+活性化チャネルTPC1は発芽および気孔開閉を調節する 2005年3月17日 Nature 434, 7031 doi: 10.1038/nature03381 細胞質ゾル中の遊離カルシウム([Ca2+]cyt)は、植物細胞に広く存在するシグナル伝達成分である。数多くの刺激が、[Ca2+]cytの持続的または一時的な上昇を引き起こし、それが下流の刺激特異的な応答を引き出す。[Ca2+]cytシグナルは、Ca2+の細胞外または細胞内の貯蔵部位から細胞質への流入を触媒する、Ca2+透過性イオンチャネルの刺激誘導性開口によって生じる。植物の細胞膜では、多種多様なCa2+流の性質が電気生理学的に明らかにされている。しかし、こうした流れの基盤となるイオンチャネルがどういうものなのかはこれまでわかっていなかった。本論文では、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のTPC1(two-pore channel 1の略称)遺伝子が、多くの電気生理学的研究からスロー液胞チャネルとして知られているCa2+依存性Ca2+放出チャネルの一種をコードしていることを報告する。スロー液胞チャネルは、植物の液胞に広く見られ、マイクロモル程度の[Ca2+]cyt濃度で最大のコンダクタンスを示す。tpc1ノックアウト変異体では、機能するスローチャネルの活性が認められず、発芽のアブシジン酸誘導型の抑制と、細胞外カルシウムに対する気孔応答のいずれに欠陥が見られる。以上の結果は、細胞内Ca2+放出チャネルが、植物の生理的過程に重要な役割を果たすことを異論の余地なく示している。 Full Text PDF 目次へ戻る