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遺伝:種特異的なRNA編集の分子レベルの決定因子と誘導的進化

Nature 434, 7031 doi: 10.1038/nature03364

大部分のRNA編集系は、機構が多様であり、遺伝情報を復旧でき、また真核生物系統に無差別的に広く存在する。これとは対照的に、アデノシンからイノシンというRNA編集による遺伝子の書き換え(recoding)は動物に一般的なようで、通常はタンパク質中で高度に保存された、あるいは変化の起こらないコード部位に変化をもたらす。本論文では、synaptotagmin IsytI)遺伝子の書き換えに、種による著しい変動がみられることを報告する。ショウジョウバエ、カ、チョウは、共通で種特異的なsytI編集部位を持ち、これらはいずれも単一のエキソン内に存在する。一方、ミツバチ、甲虫類、ゴキブリではsytIの編集は起こらない。RNA編集装置は通常、イントロンによってRNA構造に保存された情報によって特定のアデノシンを修飾するのに使われる。34種についての比較ゲノム解析を突然変異体解析と組み合わせて、複数のドメインからなる複雑なmRNA前駆体構造のみが、種に適したRNA編集を促すことがわかった。こうした構造の1つは、これまで報告されていなかった長大なシュードノットである。本論文では、編集部位から遠く離れたところにあるイントロン配列のわずかな変化が、基質RNA間に見られる編集の種特異性を伝え得ることを示す。以上の結果をまとめると、sytI遺伝子編集の系統史が、2億5千万年を越える六脚類の進化にわたるものだという考えが裏付けられる。今回の結果は、構造ドメインの段階的付加を介した、あるいは祖先生物の持つ構造を始点とした配列空間内での短距離移動によるRNA編集部位出現のモデルともなる。

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