Letter 物理:強磁性体CdCr2S4におけるリラクサー強誘電性と巨大な磁気静電結合 2005年3月17日 Nature 434, 7031 doi: 10.1038/nature03348 磁気的秩序と電気的秩序が共存する物質は「マルチフェロイクス」あるいは「磁性誘電体」と呼ばれ、最近盛んに研究されている。特に、磁気静電効果により磁化と分極が緊密に結合して強磁性と強誘電性が同時に発現する現象は、新世代の電子デバイスに利用できる見込みがある。今回我々は、有用と思われる、異例な磁気的および電気的性質を持つ単純立方スピネル化合物についての測定結果を報告する。この物質は、リラクサー強誘電性(不鮮明な相転移を伴う強誘電体のクラスター状態)と共存した強磁性の秩序を示し、両者はともにかなり高い秩序転移温度とかなり大きな秩序モーメントを持つ。強磁性秩序転移温度の近辺で磁気静電結合は巨大となり、外磁場中での誘電率の変化で表した数値は500パーセントに近づく。このリラクサー強誘電体の性質は幾何学的フラストレーションに帰せられる。幾何学的フラストレーションは磁気モーメントについてはよく知られているが、ここでは強誘電状態の生成を促進する構造自由度の長距離秩序を阻害することが見出される。 Full Text PDF 目次へ戻る