Letter 進化:サル・フォーミイウイルスと霊長類は大昔から共種分化をしてきた 2005年3月17日 Nature 434, 7031 doi: 10.1038/nature03341 寄生生物と宿主の共種分化は長い間消えずにいる仮説の1つだが、長期の共種分化を示す説得力のある証拠は今もってつかめていない。その理由は主に、研究された宿主と寄生生物の数が少ないことと、進化の変化速度に関する不確実性にある。共種分化はとりわけRNAウイルスではめったになく、この種のウイルスでは種を超えた伝播が進化の主な様式である。サル・フォーミイウイルス(SFV)は多くのサルが保有している病原性のないレトロウイルスで、すべての霊長類に感染する。今回我々は、SFVとその霊長類宿主で共種分化仮説を検証するため、アフリカ産およびアジア産のサルや類人猿から採取したSFVポリメラーゼとミトコンドリアのシトクロムオキシダーゼ・サブユニット IIの系統発生を比較した。これらの系統樹は、枝分かれの順序も分岐の年代も極めてよく一致しており、共種分化を強く裏づける結果となった。分子時計の刻みから、SFVの進化速度は1.7×10−8/部位/年と極めて遅いことが明らかになった。これは、今まで報告されたなかで最も進化の遅いRNAウイルスである。これらの結果からすると、SFVは旧世界霊長類と少なくとも3,000万年にわたって共種分化してきた可能性があり、そうなればこのウイルスは知られるうちで最古の脊椎動物RNAウイルスとなる。 Full Text PDF 目次へ戻る