Letter 物理:地球大気に似た条件下での立方晶系の氷の生成 2005年3月10日 Nature 434, 7030 doi: 10.1038/nature03403 地球大気中の氷雲形成における重要な機構は、水を含む小液滴中で氷の核が一様に生成されることであり、この過程ではふつう六方晶系の氷が作られると考えられている。一方、準安定な結晶相である立方晶系の氷が地球大気中で作られる可能性があるとする複数の報告もある。今回我々は、マイクロメートル大の純水や水を含む溶液の小液滴が、大気中での冷却率に近い速さで一様に凍るとき、立方晶系の氷が生成されるという室内実験を報告する。小液滴が190 K以下の温度で凍ると、主として立方晶系の氷が生成されることがわかった。この温度は、極地方の成層圏の雲や熱帯の対流圏界面領域の雲に対応する温度領域中にある。これらの結果は、伝熱計算と併せて地球大気中で立方晶系の氷が生成されうることを示唆している。冷たい雲の中に十分な割合で立方晶系の氷があれば、この氷は雲の中の水の蒸気圧を高め、雲のミクロな物理的性質や氷粒子の大きさの分布が変化する可能性がある。特定の条件下では、対流圏界面領域の除湿を促進するかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る