Letter 発生:ショウジョウバエの背腹パターン形成期におけるDpp受容体相互作用の空間的な双安定性 2005年3月10日 Nature 434, 7030 doi: 10.1038/nature03318 さまざまな発生過程において局所的に生産されたモルフォゲンは、ある細胞領域全体に濃度勾配を形成して位置情報を与える。しかし、ショウジョウバエ胚の背腹パターン形成期において、骨形成タンパク質(BMP)ファミリーの2つのメンバーである Decapentaplegic(Dpp)と Screw(Scw)は広く転写されるが、それらが発現している細胞のうち限定された一部のみでしか受容体を介したシグナル伝達は促進されない。本研究では、受容体に結合したBMPを可視化する新たに開発した免疫染色法を用い、両タンパク質が1本の明瞭な帯状に並ぶ背側細胞に局在することを示す。我々は、正常な BMP の局在化には2つの段階があることを実証した。まずDppでは方向性を持った長距離の細胞外輸送が行われる。Scwも長距離を移動するが、Dppの輸送とは独立して起こる。次に、細胞内のポジティブフィードバック経路が、それ以前のシグナル強度の関数の形でその後のリガンド結合を促進する。これらの結果から、細胞外のDpp輸送によって最初にBMP結合についての緩い勾配が作られ、そこに細胞内のポジティブフィードバックが働いてBMPと受容体の相互作用の2つの安定な状態、すなわちBMP結合とシグナル伝達能が最背側の細胞で高く、側方の細胞では低くなる空間的な双安定性を生み出すというモデルが導き出される。 Full Text PDF 目次へ戻る