Letter 物理:強誘電体ナノディスクおよびナノロッドの異常な相転移 2004年12月9日 Nature 432, 7018 doi: 10.1038/nature03107 バルクの強誘電体は低温で構造相転移を起こし、自発分極を持った多数の安定な(すなわち、多数の極小となる)縮退状態を生じる。外部電場をかけ、方向を変化させてこのような状態へアクセスする方法は、不揮発性強誘電体ランダムアクセスメモリー(NFERAM)などのデバイスの基本動作原理になる。バルク強誘電体に比べて、低次元の有限な強誘電体構造はNFERAMのストレージ密度を10,000倍も高める可能性がある。しかし、そのためには低次元構造でも相転移と多数の安定状態が存在している必要がある。過去の研究では、相転移は1次元系では不可能で、次元数がさらに小さくなるとますます起こりにくくなることが示されている。ここでは、技術的に重要なPb(Zr,Ti)O3固溶体の強誘電体ナノスケールディスクおよびナノロッドに関するab initio研究を行い、零次元の強誘電体ナノ粒子に今まで知られていなかった相転移が存在することを実証した。低温で構造双安定性を見せるディスクの最小直径は3.2 nmであり、このことから究極のNFERAM密度として1インチ平方当たり60×1012ビットが可能になる。この密度は現在可能な密度より5桁高い値である。我々の結果は、強誘電体ナノ構造を使ってデータストレージに革新をもたらすものであり、低次元系における相転移の理論にとっても基本的に重要である。 Full Text PDF 目次へ戻る