Letter 気候:遠隔地の気候異常にリンクしたブラジル北東部における過去21万年間にわたる湿潤期 2004年12月9日 Nature 432, 7018 doi: 10.1038/nature03067 熱帯地方は、大気中の顕熱・潜熱や水蒸気の主な供給源であり、それゆえに過去の気候を復元するうえで重要である。しかし、熱帯南部の古気候について長期間にわたり正確に年代が定められた記録は、これまで得られていなかった。こうした記録があれば、遠隔地域との気候的相関を確立できる。今回我々は、熱帯のブラジル北東部(現在は半乾燥地域である)における21万年にわたる湿潤期の記録を示す。この記録は、U/Th法を使って正確に年代が定められたスペレオセムとトラバーチンから得られた。湿潤期は、東アジアの夏季モンスーンの弱い期間、グリーンランドにおける寒冷な期間、北大西洋におけるハインリッヒ・イベント、カリアコ海盆への河川水の流出量の減少期と、時を同じくしていることが見出された。この湿潤期は熱帯収束帯の南方への移動によって説明できると推測される。気候の異常が広範囲に及んで同時に起こることは、大気海洋系の比較的急速な全球的再組織化を示唆している。森林の拡大がこれらの間欠的な湿潤期に起こったことは植物化石から示されており、この湿潤期が、おそらく雨林の分布に影響を与え、アマゾンの雨林と大西洋の雨林の間に森林の回廊地帯を開いたと結論される。 Full Text PDF 目次へ戻る