Article 細胞:TRPA1は脊椎動物の有毛細胞の機械受容伝達チャネルの候補である 2004年12月9日 Nature 432, 7018 doi: 10.1038/nature03066 内耳の受容体細胞にある感覚毛の束が機械的に傾くと、その先端部にあるイオンチャネルが開き、それによって音の知覚が起こる。高等脊椎動物では、この伝達装置のタンパク質成分の一部がすでに知られているが、機械的刺激によって開閉する伝達チャネルは同定されていない。今回我々は伝達チャネルの候補としてTRP(transient receptor potential)イオンチャネルを調べ、その中の1つTRPA1(ANKTM1とも呼ばれる)が、この伝達チャネルの基準を満たすことを明らかにする。上皮有毛細胞におけるTRPA1メッセンジャーRNAの発現の始まりは、発生における機械刺激感受性の出現と一致する。TRPA1に対する抗体によって、感覚毛の束、特にその先端部が標識される。また、伝達装置を化学的に破壊すると、先端部が標識されなくなる。ゼブラフィッシュとマウスの内耳でTRPA1タンパク質の発現を阻害すると、電気的記録やチャネル透過性の蛍光色素の蓄積から判断して、受容体細胞の機能が阻害されることがわかる。TRPA1はおそらく機械受容伝達チャネル自体の構成成分であろうと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る