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発生:心臓の発生におけるBAFクロマチンリモデリング複合体の機能にはBaf60cが不可欠である

Nature 432, 7013 doi: 10.1038/nature03071

胚発生のいくつかの重要な局面は、組織特異的な転写因子が制御している。これらの因子は、DNAがクロマチンの高次構造をとっている状態で機能しなければならない。Swi/Snf類似のBAF複合体のような酵素複合体がクロマチンの構造を改変することで、転写装置は遺伝子制御因子に近付けるようになる。本論文では、BAF複合体のサブユニットの1つBaf60cをコードする遺伝子Smarcd3が、マウス初期胚の心臓と体節で特異的に発現されていることを明らかにする。胚性幹細胞から誘導したマウス胚で、RNA干渉によってSmarcd3のサイレンシングを行うと、前部/第二心臓発生領域(anterior/secondary heart field)の拡大がうまく起こらないことを反映するように、心臓の形態形成に欠陥が生じ、また心筋と骨格筋の分化に異常が起こる。Smarcd3の発現を中程度に抑えると、ヒトの先天性心臓欠陥に似た流出路の造形異常につながる。細胞培養で過剰に発現させたBaf60cは、心臓の転写因子とBAF複合体ATPアーゼBrg1との相互作用を仲介し、それが標的遺伝子の活性化を促すことがある。これらの結果が示すように、Baf60cは、心臓特異的なエンハンサーへとBAFクロマチンリモデリング複合体を誘導するうえで組織特異的かつ容量依存的な役割を果たしており、これは器官形成時の転写調節を確実に行うための今まで知られていなかった機構となっている。

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