Letter 遺伝:faux3'-UTRは異常な翻訳終了を引き起こし、ナンセンス変異を介したmRNAの分解の引き金となる 2004年11月4日 Nature 432, 7013 doi: 10.1038/nature03060 ナンセンス変異を介したメッセンジャーRNAの分解(NMD)は、早過ぎる翻訳終了が引き金となるが、正常な翻訳終了と早過ぎる翻訳終了とを区別する仕組みは解明されていない。あるNMDモデルによれば、プロセシングの早い段階でmRNAに結合する分解誘導因子は、通常mRNAを伸長するリボソームによって取り除かれるが、早期翻訳終了によりこれが残ったままになり、mRNAの急激な分解の引き金となるとされる。しかし最近の実験によってこの見方に異論が出され、早過ぎる翻訳終了それ自体がもつ本質的な異常性がmRNAの分解を促すとするモデルが考えられている。今回我々は、プライマー伸長阻害(toeprinting)法を使ってリボソームの位置を調べ、酵母抽出物における早期翻訳終了が実際に異常な過程であることを明らかにした。CAN1mRNAの早過ぎる位置にあるUAAあるいはUGAコドンに出合ったリボソームは、mRNAからうまく離れられずに上流のAUGへと移動する。この異常な動きは先立つナンセンスコドンの認識がなければ起こらず、主要なNMD因子であるUpf1pをもたない細胞由来の抽出物では起こらないし、またナンセンスコドンのあとに正常な3'-非翻訳領域(UTR)をつなげても起こらなくなる。正常な3'-UTRを真似るためにポリ(A)結合タンパク質(Pab1p)を結合させると、翻訳終結因子Sup35p(eRF3)が動員され、ナンセンスコドンを含むmRNAは安定化される。これらの結果から、効率のよい翻訳終結とmRNAの安定性は、適切な構造をもった3'-UTRに依存することが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る