Letter 環境:北部ポンデローサマツ林における火災に起因する浸食と千年スケールの気候変動 2004年11月4日 Nature 432, 7013 doi: 10.1038/nature03058 近年、米国西部のポンデローサマツ林は、広範囲に及ぶ立木更新性の火災と、これに続く山腹斜面の浸食および堆積を被っている。このような火災は通常、火災発生の抑制、放牧、他の土地利用の結果としての立木密度の上昇によると考えられ、珍しいあるいは前例がないと見なされることが多い。過去500年の年輪記録から、欧州から人々が移住して来る前には、高頻度で小規模の火災が、低い立木密度を維持していたことが示唆されている。しかし、AD1500〜1900年頃の移住前の時期は現在より概して寒冷でもあり、20世紀の急激な温暖化が、近年の破壊的な火災の発生を促している可能性がある。今回、アイダホ州中部の扇状地における火災関連の堆積物の年代を決定し、完新世における乾生ポンデローサマツ林の火災史を再現して気候との関連を検討した。その結果、寒冷期には、おそらく下層植生が増加するとそれが燃料となって低規模火災が頻繁に発生していたことがわかった。温暖な時期には、激しい乾燥、立木更新性の火災および長期浸食の主要な要素となる大規模土石流が起こっており、こうした土石流はイエローストーン国立公園の亜高山帯林で見られるものと同時期に起きている。この結果は、気候の大きな影響を考えれば、移住前の時期の典型的な状況への回復は、大規模火災の発生頻度が高まる温暖な将来には難しい可能性があることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る