Letter

細胞:バクテリオファージPRD1の膜の構造とタンパク質およびDNAとの相互作用

Nature 432, 7013 doi: 10.1038/nature03053

細胞内外への分子の移動を選択的に制御し、環境に対する細胞の応答を仲介するのに膜は不可欠である。生体膜とそれに結合したタンパク質は、構造解析がかなり難しい。低温電子顕微鏡と画像の再構成によって、分解能約9Åでエンベロープをもつウイルス像が得られているが、膜構造の詳しい結晶構造はこれまで報告されていなかった。バクテリオファージPRD1粒子の構造がX線結晶解析によって分解能4Åで決定されたことにより、膜をもつウイルスの詳しい解析が初めて可能になった。ウイルスキャプシドの構造と、それがウイルスの組み立てにおいて果たす役割は、本号に同時掲載されている論文で述べられている。今回我々は、電子密度からタンパク質キャプシドの下に二十面体の脂質二重膜があって、ウイルスDNAを包んでいることを明らかにした。このウイルス膜には約26,000個の脂質分子が含まれ、膜の各層に非対称に分布している。内層は主として双生イオンであるホスファチジルエタノールアミン分子でできていて、ウイルスDNAと非常に緊密な相互作用ができるようになっており、ウイルスDNAは強く圧縮されて45気圧になっているものと推定され、このような因子が膜を介して宿主細胞内にDNAが注入されるときに重要であるらしい。これに対して、外層はホスファチジルグリセロールとカルジオリピンが多く含まれ、非対称な二十面体ユニット内で明らかな左右分離が見られる。また、脂質頭部はきわめて高い規則性を示している。

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