Letter 材料:鉛を含まない圧電セラミックス 2004年11月4日 Nature 432, 7013 doi: 10.1038/nature03028 鉛はその毒性に関する懸念から、近年多くの製品や材料(例えば、はんだ、ガラス、陶器の釉薬)から排除されてきた。チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)セラミックスは優れた圧電材料であり、センサー、アクチュエーターおよびその他の電子部品に広く利用されているが、重量比で60%以上の鉛を含んでいる。鉛を含まない圧電セラミックスは、その重要性から多くの取り組みがなされてきたにもかかわらず、PZTに匹敵する性能の代替材料は未だ開発されていない。今回我々は、電場で誘起されるひずみ(電界誘起変位)が、代表的なアクチュエーター用PZTに匹敵する、鉛を含まない圧電セラミックスを開発したことを報告する。この開発は、ニオブ酸アルカリ系ペロブスカイト型固溶体組成における結晶構造相転移境界の発見と、〈001〉結晶軸方向に高度に配向組織化された多結晶を得るプロセス技術を組み合わせることで達成された。このセラミックスの圧電常数はd33=300pC/N(1ニュートンの力を加えたとき、力と同じ方向に300ピコクーロンの電気量が誘起される)まで向上し、〈001〉結晶軸方向に配向組織制御された材料では最大d33= 416 pC/Nに達した。さらに配向組織化により、電場で誘起されるひずみが温度に依らなくなるという現象を発見した。 Full Text PDF 目次へ戻る