Letter

古生態:ロシアのペルム紀−三畳紀境界に起こった脊椎動物の生態系再編

Nature 432, 7013 doi: 10.1038/nature02950

2億5,100万年前のペルム紀−三畳紀境界に起こった生物大量絶滅は記録に残る中で最も大きいものだと考えられている。世界全体の集積データによれば、海陸両方で分類上の科の50%かそれ以上が消滅したことになり、これらの数字は希薄化解析(rarefaction analysis)にのっとれば種にして80〜96%が消滅したことになる。この消失レベルは海洋域の局所および地域規模の調査研究によって確認されるが、それに比べると陸上の記録はこれほど詳細に分析するのが難しかった。今回我々は、南ウラル盆地において13の連続する地質年代ゾーンにわたる289カ所で出土した両生類と爬虫類の675標本を包括的に調査し、ロシアにおけるこの絶滅事件の実体について報告する。多様性や新旧交代に見られるこれらの変化は、標本抽出効果だけでは説明がつかない。魚や昆虫を食べる小型動物、中型や大型の草食動物、大型の肉食動物の消失に伴って、属や科の数が大きく減少し、生態系が単純化した。動物相の動態も変化し、ペルム紀後期には新旧交代の速度が速かったが、三畳紀前期には低い多様性の状態で安定性が大きくなった。1,500万年間の生態系再編ののちも、魚や昆虫を食べる小型動物、大型の草食動物や食物連鎖の頂点に立つ肉食動物といった一部のギルド(同一の栄養段階の動物)はどうやらまだ存在しなかった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度