Letter 生化学:ポリコームサイレンシングにおけるヒストンH2Aのユビキチン化の役割 2004年10月14日 Nature 431, 7010 doi: 10.1038/nature02985 ヒストンの共有結合修飾は、クロマチンの動態や転写の制御に重要である。このような修飾の一例にユビキチン化があり、主としてヒストンH2AとH2Bで認められる。最近の研究により、ヒストンH2Bのユビキチン化に関与する酵素や、H2Bのユビキチン化とヒストンのメチル化との間の「クロストーク」が明らかにされたが、H2Aをユビキチン化の機能とそれに関与する酵素については明らかにされていない。本研究では、ヒストンH2Aに特異的なE3ユビキチンリガーゼ複合体の精製とその機能的特性について報告する。hPRC1L(human Polycomb repressive complex 1-like)と名付けられたこの複合体は、Ring1、Ring2、Bmi1およびHPH2を含む数個のポリコーム群タンパク質からなる。hPRC1LはヌクレオソームH2Aの119番目のリジン残基をモノユビキチン化する。Ring2の発現を低下させると、HeLa細胞におけるユビキチン化されたH2Aの量は著しく減少する。免疫沈降法を用いたクロマチンの解析では、dRingとユビキチン化されたH2Aはショウジョウバエの翅成虫原基のUbx遺伝子のPREおよびのプロモーター領域に共存することが示された。RNA干渉を用いてSL2の組織培養細胞からdRingを除去すると、Ubxの抑制に伴いH2Aのユビキチン化が失われる。以上から、本研究ではH2Aのユビキチンリガーゼを同定し、H2Aのユビキチン化がポリコームのサイレンシングに関与することを明らかにする。 Full Text PDF 目次へ戻る