Letter 神経:単一嗅覚ニューロン集団がショウジョウバエの生得的回避行動を仲介している 2004年10月14日 Nature 431, 7010 doi: 10.1038/nature02980 全ての動物は、ある特定の感覚刺激に反応して生得的な行動を示すが、これは発生の過程でプログラムされた神経回路の活性化から生じるらしい。ショウジョウバエでは、ストレスを受けた仲間が放出した匂いに対して強い回避反応を示すことが認められる。ガスクロマトグラフィーおよび質量分析により、このような「ショウジョウバエ・ストレス匂い物質(dSO)」の成分の1つがCO2であることを突き止めた。CO2は、わずか0.1%という低濃度で回避行動を引き起こす。今回、Ca2+感受性蛍光タンパク質G-CaMPを用いた二光子励起画像法により、CO2に対する回避行動を支配する一次感覚ニューロンの所在場所を特定した。CO2は、触角葉内の単一の糸球体、V糸球体のみを活性化する。しかし、この糸球体は、検討した他の26種類の匂い物質のいずれによっても活性化されない。温度感受性のShibire遺伝子(Shits)を用いて、V糸球体を刺激する感覚ニューロンにおけるシナプス伝達を阻害したところ、対CO2回避反応は中断された。しかし、他の多くの嗅覚受容体ニューロン間のシナプスにおける神経伝達物質放出を阻害しても、回避行動に影響はなかった。これらの結果は、1つの糸球体を刺激する1種類の感覚ニューロン集団の活性化が、ショウジョウバエの生得的な回避行動に関与することを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る