Letter 火星における水により制限される化学風化の指標としてのジャロサイト 2004年10月14日 Nature 431, 7010 doi: 10.1038/nature02971 火星探査車オポチュニティは、メリディアニ平原の着陸地点で、鉄の硫酸塩鉱物であるジャロサイト(鉄ミョウバン石)と、おそらく石膏と思われる残存鉱物を同定した。地球上ではジャロサイトは、酸性鉱山排水の環境下や、硫化物鉱物の酸化過程、さらには火道付近の酸性で硫黄に富んだ流体による酸性環境における火山岩の変質過程で形成されることがわかっている。このように、ジャロサイトの形成には、湿潤、酸化性および酸性環境が必要であると考えられている。しかし地球上のジャロサイトは、地質学的な時間でみれば乾燥環境にしか存在しない。なぜなら、より湿潤な気候では、ジャロサイトは急速に分解してオキシ水酸化鉄を形成するからである。本論文では、そのような水性の変質作用相を火星で形成したと考えられる条件での可能性の高い範囲を絞り込む熱平衡反応経路のシミュレーションを示す。これらの計算は、火星で上記に相当する条件下での玄武岩の化学風化をシミュレートする。メリディアニ平原に残った玄武岩と結びついたジャロサイトの存在は、変質作用の過程が最後まで進行せず、ジャロサイト形成後に乾燥環境が支配的になったに違いないことを示すと結論される。 Full Text PDF 目次へ戻る