Letter 発生:Hedgehogシグナル伝達は盲目の洞窟魚での目の退化を制御する 2004年10月14日 Nature 431, 7010 doi: 10.1038/nature02864 Hedgehog(Hh)タンパク質は、発生において重要なシグナル伝達にかかわっているが、それらの進化的役割はまだ明らかにされていない。本研究では、胚の正中線におけるhh遺伝子発現が、盲目の洞窟魚で起こる目の退化を調節していることを示す。目の退行の進化を調べるために、地上に生息し目のある地上型と、洞窟に生息し盲目の洞窟型多数が存在する硬骨魚であるメキシカンテトラ Astyanax mexicanusを用いた。洞窟魚の胚発生では目の小さな原基が形成されるが、後に発生が停止し、退行して眼窩に沈み込む。目の退化は胚のレンズのアポトーシスによって引き起こされ、地上型の胚のレンズを洞窟型の眼杯に移植すると完全な目を復帰させることができる。本論文では、sonic hedgehog(shh)とtiggy-winkle hedgehog(twhh)遺伝子の発現が、数個の異なる洞窟魚個体群において胚の正中線の前側に沿って拡大していることを示す。hhシグナル伝達の拡大は下流遺伝子の過剰な活性化、レンズのアポトーシス、目の成長・発生の停止を引き起こす。地上型の魚でtwhhとshhの一方または両方を過剰発現させると同様の現象を生じさせることができ、このことは洞窟魚の目の退行の進化にhhシグナル伝達がかかわっていることを裏付けている。 Full Text PDF 目次へ戻る