Letter 環境:パキスタンにおけるハゲワシの個体群減少の原因は残留ジクロフェナク 2004年2月12日 Nature 427, 6975 doi: 10.1038/nature02317 ベンガルハゲワシ(Gyps bengalensis;OWBV)はかつて、インド亜大陸で最もよく見られる猛禽類の1つだった。個体群の95%を超える減少は1990年代に始まり、最初にその徴候が記されたのはインドのケオラデオ国立公園においてだった。それ以降、インド亜大陸全土でインドハゲワシ(Gyps indicus)やGyps tenuirostrisをも含む劇的な減少が報告され続けた。その結果、これらのハゲワシ類は現在ではバードライフ・インターナショナルにより絶滅寸前種にあげられている。2000年には、ハヤブサ基金がパキスタン鳥学会とともにアジア猛禽類救済計画を立ち上げ、パキスタンのカスール、カネワル、Muzaffargarh-Layyah地区の16のOWBVコロニーに研究拠点を置いて、2,400を超える営巣箇所で死亡率を調べた。2000〜2003年の成鳥および亜成鳥の死亡率は高く(5〜86%)、その結果個体群は減少し(34〜95%)、それに関連して腎不全や内臓障害が見られた。本論文では、抗炎症剤であるジクロフェナクの残留とハゲワシの腎不全とが直接相関していることを示す研究結果を提出する。ジクロフェナクの残留と腎疾患は、直接の経口投与およびジクロフェナク投与した家畜を摂食させることで実験的にOWBVで再現できた。ジクロフェナクの家畜体内残留がOWBV減少の原因であると我々は考える。ワシントン州立大学(米) Full Text PDF 目次へ戻る