Letter 化学:ナノスケールの八面体に折りたたまる1.7キロ塩基の1本鎖DNA 2004年2月12日 Nature 427, 6975 doi: 10.1038/nature02307 分子の自己集合は、単純な部品から複雑できちんと定まった構造を自発的に形成させる手段となる。DNA塩基対間の特異的結合は、この手法でDNAによるナノ構造を作ったり、サブナノメートルからマイクロメートルスケールでの物質の組立てを指示したりするのに用いられてきた。一般に、ポリメラーゼによるDNAの指数関数的増幅においては、適当なDNA配列の大規模なクローン生産と、最適挙動に向けて方向付けられた配列系譜の進化が認められる。しかし、DNAの3次元幾何構造体の既知例は、ポリメラーゼによる複製を妨げるトポロジーを含むため、クローン化されにくい。今回我々は、ポリメラーゼで容易に増幅され、5個の合成オリゴデオキシヌクレオチド(40量体)の存在下で単純な変性−復元過程により八面体に折りたたまる、1,669ヌクレオチドの1本鎖DNA分子の設計と合成を報告する。クライオ電子顕微鏡を用いて、DNA鎖が首尾よく折りたたまれ、12本の支柱つまり、辺が6カ所で4本ずつ接合して直径が約22ナノメートルの中空の八面体を形成していることを示す。1個の八面体の中では支柱の塩基対配列がどれも異なるので、個々の支柱は適当な配列特異的DNA結合剤で別々に処理できる。スクリプス研究所(米) Full Text PDF 目次へ戻る