Letter 生理:最適の気管支樹は危険となる可能性がある 2004年2月12日 Nature 427, 6975 doi: 10.1038/nature02287 血管や気道などの分岐構造の幾何学や容積は、生理的な諸過程の効率を決めるうえで重要な要素である。フラクタルな樹状構造は空間を充填できること、またエネルギー散逸を最小にできることが明らかになっている。大部分の哺乳類に見られる肺の気管支樹は、フラクタルに近い構造をもつ有効な配分システムの好例である。今回我々は、ヒトの気管支構造の設計における物理的な最適化と生理的な頑健さの両立性について調べ、報告する。気管支構造の物理的最適化は、幾何学構造の小さい変化が空気の総流量にきわめて大きい変化を引き起こしうるという点からみて困難な問題である。つまり、物理的効率が最大であることは気管支の生理的設計のために十分な基準とはなりえない。むしろ、気管支は安全率や気道内径の制御能力とともに設計されねばならない。逆説的なことに我々の得た結果は、喘息に関係する気管支機能不全が気管支樹構造の効率最適化の必然的結果であることを示唆している。カシャン高等師範学校(仏) Full Text PDF 目次へ戻る