Article 生化学:電子伝達鎖における酸化還元エネルギーの可逆的な共役 2004年2月12日 Nature 427, 6975 doi: 10.1038/nature02242 電子伝達とATP 生産を駆動する膜を介したプロトン勾配とが共役している呼吸系および光合成系に共通する主要な問題は可逆性である。これには、集中的に研究が行われてきたシトクロムbc1複合体が関わっている。このシトクロム複合体は、キノンとシトクロムc間の電子伝達を触媒する。可逆的なエネルギー共役作業を効率的に行う仕組みを解明するために、今回シトクロムbc1を構成する個々の補因子を1つずつ不活性化した。Qo部位での電荷分離を起こすヒドロキノン-キノン触媒作用を含む、すべての電子トンネリング段階と共役して起こるプロトン交換をミリ秒単位の分解能で分離した。その結果、酸化還元平衡が触媒作用の時間スケールに相当する速さで起こることが明らかになった。可逆反応がこのように速やかに起こるとすれば、Qo部位のセミキノン上で起こる触媒作用を基盤とする一般的なモデルでは短絡回路が生じやすいという欠点が生じる。可逆性を保ちながら、秒単位の時間スケールで長距離にわたる電子トンネリングだけに短絡回路を安全に生じさせるようにする機構は2つある。その1つは、正方向および逆方向の電子伝達でのセミキノンのコンフォメーション変化によるゲート開閉であり、もう1つは、セミキノン中間体の存在を全く想定しなくてすむ、協奏的な2電子キノン酸化還元反応である。ペンシルベニア大学(米) Full Text PDF 目次へ戻る