Letter 細胞:脱リン酸化されたSRp38は熱ショック応答においてスプライシングのリプレッサーとして作用する 2004年2月5日 Nature 427, 6974 doi: 10.1038/nature02288 熱ショックなどのストレスに対する細胞応答には、遺伝子の発現がかかわっている。熱ショックの場合にはメッセンジャーRNA前駆体のスプライシングが一般に抑制されることはよく知られているが、これを行う因子は同定されていなかった。SRp38はSRタンパク質のスプライシング因子で、スプライシングの一般的なリプレッサーとして働く。SRp38は脱リン酸化により活性化され、M期の細胞でのスプライシング抑制に必要とされる。本論文では、SRp38が熱ショックによっても脱リン酸化されることと、この脱リン酸化はスプライシングの阻害と相関があることを明らかにする。特に、熱ショックを受けた細胞の抽出物からSRp38を除くとスプライシングの抑制が解除され、脱リン酸化されたSRp38を再び加えると、スプライシングの抑制が再び起こることは注目に値する。さらに、脱リン酸化されたSRp38がU1核内低分子リボ核タンパク質粒子(snRNP)のタンパク質と結合し、この結合がU1snRNPによる5′スプライス部位の認識を妨げることも明らかにする。そのうえ、SRp38を欠失させたDT40細胞は細胞周期の特性が変化するが、これは有糸分裂に異常がある場合とよく一致している。またこのような細胞は、温度感受性で、熱ショック後の回復がうまくできない。したがって、SRp38はスプライシング機構を阻害することによって、ストレス条件下での細胞の生存に重大な役割を果たしている。コロンビア大学(米) Full Text PDF 目次へ戻る