Letter 物性:LaAlO3/SrTiO3ヘテロ界面における高移動度電子ガス 2004年1月29日 Nature 427, 6973 doi: 10.1038/nature02308 異なる結晶性材料の界面(ヘテロ界面)における極性不連続は、ダングリングボンドや原子の不完全な配位構造の存在とあいまって、局所的な原子および電子構造の異常を生み出す。こうした不連続は、超伝導性銅酸化物や強誘電性チタン酸化物のような自然に生ずる層状構造酸化物でも、マンガン酸化物トンネル接合のような人工の酸化物ヘテロ構造薄膜でも、しばしば起こる。もし極性不連続を原子レベルで制御できれば、バルク材料では生み出せない異常な電荷状態を実現できるであろう。今回我々は、モデルとして2つの絶縁性ペロブスカイト酸化物(LaAlO3とSrTiO3)の界面を調べた。その際、界面の終端層は原子スケールで制御した。単純なイオン性極限では、界面には、その構造に応じて2次元の単位胞あたり1/2個の電子または正孔が過剰に存在することになる。正孔がドープされた界面は絶縁性である一方、電子がドープされた界面は伝導性で、10,000 cm2 V-1s-1を超える非常に高いキャリア移動度を示すことが見出された。低温では、磁場の逆数に比例する周期をもつ劇的な磁気抵抗振動が観測され、量子輸送が起こっていることが示された。これらの結果は、原子スケールで操作した酸化物ヘテロエピタキシーによって低次元の電荷状態を望み通りに作り出す機会を広げるものだ。 Full Text PDF 目次へ戻る