Letter 物性:カーボンナノファイバーの成長を原子スケールで画像化 2004年1月29日 Nature 427, 6973 doi: 10.1038/nature02278 所望の構造と機能性をもつカーボンナノチューブの合成はナノテクノロジー分野で中心的な役割を果たしているが、水素ガスと合成ガスの生成において、工業用触媒の破損を防ぐために炭素の成長を抑制する必要がある。このため、カーボンナノチューブやナノファイバーの成長は広く研究されてきた。近年のin situ技術の発達により、原子レベルで気体−固体相互作用を研究する可能性が開かれた。今回我々は、ニッケルナノ結晶を触媒としたメタン分解によるカーボンナノファイバー形成について、高分解能透過型電子顕微鏡による時間分解in situ観察を行った。カーボンナノファイバーは、反応によって誘起されるニッケルナノ結晶の形状変化を通じて成長することが観察された。特に、核生成とグラフェン層の成長が、ニッケル表面での単原子ステップ端の動的な形成と再構築によって促進されることがわかった。密度汎関数理論計算から、この観察は炭素原子とニッケル原子の表面拡散を含めた成長メカニズムと一致することが示された。今回発見された知見、すなわち金属のステップ端が時間的にも空間的にも移動する成長サイトとして働くということは、他のタイプの触媒反応やナノ材料合成を理解するうえでも重要となる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る