Letter

生態:温帯海域および寒帯海域で見つかった新しいRoseobacter

Nature 427, 6973 doi: 10.1038/nature02272

α‐プロテオバクテリア類の細菌プランクトンの系統型はさまざまな海域で見つかっているが、これらの世界分布を体系的に調べた生物地理学研究はまだない。α‐プロテオバクテリア類は従属栄養型の海洋細菌のうち最大級の分類群であり、SAR11とRoseobacterという2つのクレードを含む。この2者で、海洋細菌プランクトンから採取された16SリボソームRNA遺伝子クローンの26%と16%を占める。SAR11クレードは、関連する16S rRNA遺伝子クローンが培養に頼らない手法で同定された最初の海洋細菌群に含まれていたこと、そして亜熱帯海域の海面細菌プランクトン群集において優占すると見られることから、多くの関心を集めた。本論文では、Roseobacterクレードに属し、まだ培養されていない系統型のみからなる新たに見つかった細菌群の世界分布について報告する。この一群の細菌は温帯海域から寒帯海域で見られ、数度が最も高いのは南大洋だが、熱帯海域や亜熱帯海域では見られない。我々は、南大西洋の亜熱帯前線と南極大陸の間で2種類の系統型を見つけた。一方は寒帯前線の北に、もう一方は寒帯前線の南に見られることから、2つの海域が隣接しても性質が異なっているおかげで、近縁でありながら別個の系統型が存続してきたとみられる。これらの結果から、主要な海洋細菌プランクトン成分の世界分布状況は海洋の水塊と関係しており、また環境や生物地理的な特性に支配されていることが示唆される。

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