Letter 気候:近接した氷河せき止め湖のために強められたユーラシアにおける氷床の成長 2004年1月29日 Nature 427, 6973 doi: 10.1038/nature02233 巨大な氷河湖は、熱容量が大きいために夏期の気候に局所的な冷却効果を及ぼし、Agassiz湖の場合のように、メソスケールの大気フィードバックを通して降水に変化を与えることが示されてきた。いくつかの巨大な氷河せき止め湖は、あわせた面積がカスピ海の2倍に及ぶものであり、最終氷期中の約9万年前、バレンツ海とカラ海を中心とした氷床が北向きに流れるロシアの大規模な河川をさえぎった時に北ユーラシアで形成された。本論文では、氷床の表面での質量バランスをくまなく再現する大気大循環モデルを用いた高分解能シミュレーションについて報告する。ユーラシアの氷河湖が与えた主要な影響は、ロシアの大部分にわたった、夏期の気候への局所的な強い冷却によるバレンツ-カラ氷床南端の融解の著しい減少であったことが示された。今回のシミュレーションでは、夏の融解量の減少は、Agassiz湖について以前報告されたような、湖が引き起こす湿度の減少とそれに伴う降雪の減少より明らかに勝っていた。我々は、夏期に見られる氷河湖による冷却機構は、ユーラシアにおいて、そしておそらく北米においても、氷床の成長を加速させ衰退を遅らせたと結論する。 Full Text PDF 目次へ戻る