Letter 人工知能:「研究者ロボット」による機能的ゲノム仮説の構築と実験 2004年1月15日 Nature 427, 6971 doi: 10.1038/nature02236 科学研究の過程の自動化が可能か否かという問題は理論面から大きな関心が寄せられており、それと同時に実用的な重要性も高まっている。それは、科学研究の多くの分野で、効率的に解析できるよりも速い速度でデータが得られているからである。本論文では、科学実験サイクルを実施するための、人工知能技術を応用して作られ、物理的装備を備えたロボットシステムについて報告する。このシステムは、観察結果を説明するための仮説を自動的にたて、仮説を検証するための実験を考案し、ラボ用ロボットを動かして実験を物理的に実行し、結果を解釈してデータと矛盾する仮説を棄却するというサイクルを繰り返す。今回、このシステムに、酵母(Saccharomyces cerevisiae)の欠失変異体と栄養要求性成長実験による遺伝子機能の決定を行わせた。実験では、芳香族アミノ酸の合成経路の詳細な論理モデル(遺伝子、タンパク質、代謝物が含まれる)を構築して検証した。このモデルの一部を自動的に再現する生物学的実験において、判断力を有する実験選択戦略は人間の能力に匹敵し、最も安価に実験を行う場合とランダムに実験を行う場合について、コスト削減はそれぞれ3倍と100倍という充分優れた性能を有することを明らかにする。 Full Text PDF 目次へ戻る