Letter

感知:感覚運動学習におけるベイズ予測

Nature 427, 6971 doi: 10.1038/nature02169

飛んでくるテニスボールを打ち返すといった新しい運動技能の学習の際には、感知装置と課題の両方が変動性を有している。我々の感覚器はボールの速度について不完全な情報しかもたらさないため、それは推定するしかない。複数の異なる感覚からの情報を統合することにより、この推定の誤差は減らし得る。より長い時間スケールで見れば、さまざまな速度のボールすべてが先験的に同じ確率で出現するわけではなく、試合の経過とともに速度の確率分布が生じてくると考えられる。ベイズ理論によると、最適な推定はこの速度分布(事前分布)と感覚からフィードバックされた情報とを統合することで得られる。霧の中や夕暮れ時の試合のように不確実性が高くなれば、推定を行うこの系は事前に得られる知識により多く頼るようになるだろう。ベイズの戦略を使うためには、我々の脳は事前確率分布と感覚からフィードバックされる情報の不確実性の度合いを表現表示する必要があると思われる。ここでは、新しい感覚運動課題の統計的変動をコントロールし感覚からフィードバックされる不確実性を操作するという実験を行った。その結果、被験者は課題の統計的分布と感覚情報の不確実性の両方を内的表示し、行動を最適化するベイズ予測と同じ方法でそれらを統合していることがわかる。従って、中枢神経系は感覚運動課題の学習の際には確率モデルを用いていると考えられる。

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