Volume 421 Number 6923

今週のハイライト

目次

News & Views

保全生物:失われた寄生体

Conservation biology: Parasites lost p.585

新しい場所に移入された植物や動物が有害種になることがあるのはなぜなのか。こういう生物は移動の際に、自分に寄生する生物の大半を置き去りにして来るので、その結果繁栄するというのが理由の1つのようだ。

doi: 10.1038/421585a

応用物理学:これからの太陽電池

Applied physics: Solar cells to dye for p.586

太陽光から電気を作り出すという考えは魅力的だが、実際にやるとなるとこの技術は結構高価につく。新たに開発された素子は、従来からあるシリコンを使うデザインから離れたもので、なかなか有望と思われる。

doi: 10.1038/421586a

ヒトの遺伝学:碇が無いと命にかかわる

Human genetics: Lost anchors cost lives p.587

イオン輸送を行うタンパク質に変異が生じると、心臓の電気的活性が不安定化することがあり、突然死の原因となる。イオン輸送体を細胞膜に留めつけておく碇の役目をするタンパク質の変異も、これと同じような影響を及ぼすらしいことがわかってきた。

doi: 10.1038/421587a

地球科学:海洋底での流入と放出

Earth science: Ins and outs on the ocean floor p.590

海洋底と海洋との間で起こる熱交換については、長らく取り組まれているが、なお解決されない問題が多数存在している。熱水学的な活動が行われている地殻での熱流量の最新の測定結果も、こうした論争の1つとなりそうだ。

doi: 10.1038/421590a

生態学:地衣類との日陰の取引

Ecology: Shady deals with lichens p.591

熱帯地方の森林では、多くの地衣類が他の植物の葉の上に生えて、日当たりのよい場所を占拠している。地衣類がこのような位置を占めても、宿主の光合成能力を損なうことはないらしい。

doi: 10.1038/421591a

アト秒物理学:チョー速い制御

Attophysics: Ultrafast control p.593

2つの先駆的な研究グループの成果を使い、原子の中で起こる現象を制御できる、均質な一連の超短レーザーパルスが作られた。

doi: 10.1038/421593a

癌:皮一枚下で起こっていること

Cancer: More than skin deep p.594

核因子NF-kBの活性化はヒトでの癌の多くに関係があるとされてきた。しかし、いくつかの組織に生じる癌では、この分子は不活性なままである。こうした組織の1つである皮膚において、NF-kBの不活性化が癌を引き起こす仕組みを調べた新たな研究が発表された。

doi: 10.1038/421594a

Article

遺伝:ヒト14番染色体のDNA配列と解析

The DNA sequence and analysis of human chromosome 14 p.601

doi: 10.1038/nature01348

Letters

宇宙:小惑星族の起源としての壊れた母天体の分裂

Disruption of fragmented parent bodies as the origin of asteroid families p.608

doi: 10.1038/nature01364

物性:強い光の場による電子過程のアト秒制御

Attosecond control of electronic processes by intense light fields p.611

doi: 10.1038/nature01414

材料:内部電子放射に基づく光起電素子

A photovoltaic device structure based on internal electron emission p.616

doi: 10.1038/nature01316

地球:年代の若い海嶺斜面上で海山により50 kmにわたって導かれた熱水流体の放出と再流入

Hydrothermal recharge and discharge across 50 km guided by seamounts on a young ridge flank p.618

doi: 10.1038/nature01352

地球:過去1500万年にわたり一定の高度を保ち続けてきたチベット高原南部

Constant elevation of southern Tibet over the past 15 million years p.622

doi: 10.1038/nature01356

生態:侵入植物の病原体となる菌類やウイルスからの解除

Release of invasive plants from fungal and viral pathogens p.625

doi: 10.1038/nature01317

生態:移入種とその寄生生物の減少

Introduced species and their missing parasites p.628

doi: 10.1038/nature01346

生態:ショウジョウバエの光受容器の情報容量に対するShakerK+チャネルの寄与

The contribution of Shaker K+ channels to the information capacity of Drosophila photoreceptors p.630

doi: 10.1038/nature01384

医学:QT延長心不整脈4型と心臓突然死の原因となるアンキリン‐Bの変異

Ankyrin-B mutation causes type 4 long-QT cardiac arrhythmia and sudden cardiac death p.634

doi: 10.1038/nature01335

医学:NF-κB阻害と発癌性Rasは浸潤性のヒト表皮腫瘍形成を引き起こす

NF-κB blockade and oncogenic Ras trigger invasive human epidermal neoplasia p.639

doi: 10.1038/nature01283

細胞:テロメアの機能不全とAtm欠失は臓器の恒常性を低下させて老化を加速する

Telomere dysfunction and Atm deficiency compromises organ homeostasis and accelerates ageing p.643

doi: 10.1038/nature01385

生化学:主要集光性色素複合体を欠く植物における光化学系IIのマクロ構造の保持

Plants lacking the main light-harvesting complex retain photosystem II macro-organization p.648

doi: 10.1038/nature01344

生化学:ヒトのヒストンメチル基転移酵素SET7/9の構造と触媒機構

Structure and catalytic mechanism of the human histone methyltransferase SET7/9 p.652

doi: 10.1038/nature01378

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